katoreen101の日記

学校教育と授業研究・アートと猫と…あとはあれこれ

対話で出会いなおす~「やり直し」を迫られる時~

新型コロナウイルスが世界を変えている。

日本が、世界が、

今まさに歴史的な出来事の渦中に突入してしまった感がある。

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そんなことになるとは思わずに、

あたかも自分はそこそこの物知りで、物事を達観したような調子でこのブログにも自論をアップしていた。

すでにweb上からは削除していたが下書きをプレビューしてみた。

その時の憶測は、今現在の状況とは全く違ったものになってしまっている。

 

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新型コロナウイルスが懸念され始めたのは、ほんの2~3か月ほど前のことである。

その間、

希望的な観測や

「自分の経験」という極小な情報に基づいたに過ぎない「正常性バイアス」、

 

そんなものを頼りに高をくくっていたようなことを語っていたことは、恥ずかしいという感情を通り越して、自分の小ささを改めて知り、むしろ痛快(快というのは不謹慎か…)な位である。

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いろいろなことが完全に予想を上回っていく。

ということは、未来が見えない。

未来が見えないということは不安でしかない。

 

どんな情報が正しいのか、何を信じればいいのか。

毎日更新されるニュース、

昨日はごく身近な、自分の職場の中での感染という報にも触れ、全く他人ごとではない。

 

自分の行動や、万が一の時の対処について真剣に考えなくてはならない。

 

人と人との接近が制限され、学校を始めとしたコミュニティーが閉鎖されている。

こんな中で、どうしたらいいのかということを本当は対話したい。

 

近年発達した、ネット上のコミュニケーションツールの有効な活用も必要に感じる。

 

医療従事者でもない、薬剤の開発もできない。

そんな無力な自分にできることは一体何なんだろう。

 

コロナが流行の兆しを見せ始めた2か月少し前の出来事を思い出す。

 

小学校6年生の算数の授業をもっていた私は、卒業を間近に迎えた子どもたちと、休み時間よく色々な話をしていた。

 

その常連の一人、Rさんが息せき切って教室に入って来るなり

「先生、怖い。コロナ、不安だよ。」

と泣きそうな顔で訴えてきた。

「大丈夫だよ。心配しないで、手洗いをしっかりすればいい。今でもインフルエンザの方がよっぽど心配だよ。」

と、私。

もちろん、Rさんを安心させようという気持ちではあったが、実際そんな風に思っていた。

「でもね、先生、コロナは治療薬がないんだよ。ワクチンもないって。これって大変じゃん、やっぱり怖い。」

「大丈夫、大丈夫。」

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そんな会話をした少し後に、学校は臨時休業に入ってしまった。

 

よく考えもせずに「大丈夫。」と言い放った私。

やっと、自分の見識の甘さを知った私。

 

分散登校の時にRさんと話す機会があった。

「先生、全然大丈夫じゃなかったじゃない!」

その通りだ。

「ごめんね。先生は自分の経験にないことだからって、ちゃんと調べてないで、いい加減なことを言ってしまった。謝るよ。」

そして、100年前のスペイン風邪のパンデミックについて等、感染症について自分なりに調べたことについて子どもたちと対話した。

 

私はRさんとの対話を通して自分のいい加減さ、

年齢を重ねた者としてのある種の「上から目線」をとても反省した。

 

子どもの感性の方がずっと正しかった。

子どもたちはちゃんと危機を感じ取っていたんだ。

 

私はこの年になっても「やり直し」を繰り返す。

何度も何度もきっとこれからも「やり直し」を繰り返す。

 

そんな、

些細なことかもしれないけれど

当たり前かもしれないけれど

 

子どもたちとの対話のおかげで「やり直し」できたことをすごく重く感じている。

 

コロナ禍は、それはそれは一刻も早く治まってほしい。

でも、まだまだこれからかもしれない。

新しい困難の時代が待っているのかもしれない。

 

私はやはり、たとえ対面でなくても、何らかの方法で

他者との対話で事象に出会いなおし、

 

小さき自分を「やり直す」ことをおずおずとやっていきたいと思っている。