こんにちは
冬に引き続き、夏も夏太りの軽トラです。
さても…さてさて、
軽トラの住む北国の小学校はもう2学期が始まりました。
今年度から多くの学校で始業式から給食アンド午後も授業になりました。
2学期が始まって急に暑さが戻り、子どもたちも夏太り軽トラもフーフー言いながら久々の教室で勉強頑張っています。
暑いとやはりこんなことも気になります。
これを見ると、全国でもずいぶんばらつきがあるのだな、と思いました。
東北や北海道はやはり低い設置率。
その分、冬はガンガン暖房が必要なので、エアコンは我慢は仕方ないかな。
本音を言えば欲しい所ですが…
近隣の県でも違いがあるのにちょっと驚きました。
同じ四国でも香川県はほぼ100%に近いのに、愛媛県は10%にも満たないとか、
首都圏でも東京神奈川でほぼ100%なのに千葉では40%台、神奈川のお隣の静岡県は10%以下など、県によって様々です。
今後増えていくことでしょうが、エアコンに限らず
施設設備の地域格差は気になる所
ですね。
さて、話は変わります。
8月18日に
私の所属する教育研究団体
北海道学びのネットワークの第4回セミナー
が行われました。
回を追うごとに参加者が増え、嬉しい限りです。その様子が団体のHPで紹介されていますので是非覗いてみてください。
https://m.facebook.com/HokkaidoMN
この会の中で、私はこんな趣旨の話を少しだけしました。
「授業の中で、本当にいい学び合いをしている子どもは、決して目立つ子どもではなく、謙虚でどちらかというとおずおずとしている。そういう子が困っている子の様子を察してそっと近づき、優しく丁寧に最後までとことん関わる。」
これは自分が授業実践したり、授業観察したりする中で、子どもから受けた大きな気付きです。
会の中では詳しく話す時間がなかったのですが、そんな
学びの風景の一つ
を記述してみたいと思います。
W君とNさんのエピソードから
Nさんは発達障害をもっていて、理解力はあるものの学習の場面ではしばしばパニックを起こしてしまう事があります。意欲的に取組み始めるのですが、ちょっとしたつまずきや失敗(本人が失敗と感じたこと)があると固まってしまったり、プリントをくしゃくしゃにしたりしてしまいます。
なので、授業中はできるだけ教師や支援員が付き添い、本人の気持ちがくじけないように一緒に学習を進める事が多くありました。
算数の割り算の筆算に取り組んでいた時の事です。割り算の筆算は割る数、割られる数の桁数が多くなればなるほど、子どもにとっては大変な作業になります。
立てる、かける、引く、下ろす、を何度も繰り返し行い、その中で一度でも計算ミスをしてしまうと正解にたどり着けず、もう一度やり直しです。
なんだか、苦労が一瞬で水の泡になりそうで、はっきり言って「苦行」。
Nさんのような子にとってはパニックの導火線にすぐ点火しそうな学習です。
実際、何度も起こしかけ危険な状態だったので、先生が多く時間を割いて寄り添っていました。しかし、他にも手のかかる子がいたのでずっとついてもいられません。
近くの席のW君は、早々と問題を終えていました。
そこで先生はW君に困っている人がいたら教えてあげて、と促しました。
W君はしばらく周りを観察していましたが、Nさんがイライラしている様子を感じ取ったのでしょうか、さっと隣に座りました。
教えるというよりは見守るような感じでNさんのペースに合わせて時々つぶやいていました。Nさんはもともと計算力がない方ではないので自分の力で進められるのです。
それを見ながらW君は、Nさんの
「これでいいのかなぁ。これで大丈夫?」
という言葉に呼応して
「うん、そう。」「そう、そこ。」
と、ほとんど周りからは聞き取れない声でぼそぼそ言っています。たまにNさんから
「ここはどうするんだっけ?」
と質問があったときだけ
「あのね…」
とこれまた小さな声で教えるのです。これが淡々と続きました。やがてチャイムが鳴り、他の子達が離席しても、「もうちょっとだね。」と全問やりきる事を目指して同じペースを保ちながらやりきりました。終わった時、学習室には2人きりでした。
Nさんは「W君にわからないところ教えてもらったよ。」と爽やかな笑顔です。W君も嬉しそうです。
Nさんの穏やかな様子は教師にとっても驚きでした。
Nさんは教師がいくら熱心に優しく個別指導しても、いつも張り詰めているような表情を崩さない子だったからです。
W君も変わってきました。
大人しくて授業中に声を張って発表することは依然としてあまりありませんが、表情が自信が現れ、学習に向かう姿勢が前にも増して意欲的になりました。
子どものもつ力、元々もっている力は「相手に真に寄り添う」ことで本当に磨かれるのだと改めて感じさせられました。
NさんやW君のような子はどのクラスにも普通に在籍します。 Nさんのようなタイプの子はなかなか子ども同士では支えきれない事も多い中、目立たないタイプのW君が最後まで寄り添う事ができたことは小さな奇跡に感じました。
「学び合う」ことと「人が人を支える」ことは同じこと
なのだな、と思いました。
W君のような
「静かなアクティブラーナー」がたくさんいる集団
はきっと最高な学びの集団になるのではないか、と感じています。
こんなエピソードをたくさん拾っていきたいです!
(文中のエピソードは幾つかの事実を組合せたフィクションで登場人物は架空の人物です。)