katoreen101の日記

学校教育と授業研究・アートと猫と…あとはあれこれ

授業研究

風と砂山の記憶9 ~子どもの学びは雪捲(ゆきまくり)!~

今勤めている大学の駐車場から、隣の附属小学校のグラウンドが見えます。 冬になるとスキーの練習のための雪山ができ、そこで冬の遊びを楽しむ子どもたちの声が響いています。 雪の中で遊ぶのは本当に楽しいものです。雪の冷たさ、柔らかさ、滑ったり転がっ…

子どもは「教えないと学ばない」のか ~へき地・小規模校の可能性~

多くの教師は(大人たちは) 子どもは「教えないと学ばない」と考えています。 教える内容が予め用意され、 系統化され 時系列に並び 同じ学齢の子たちに 同じ空間で 決められた時間の中で 同じ目標に向かって 習得させるのが教師の役割だ、と思っています。 …

少人数学級が実現へ~今、へき地・小規模校から学ぶべきこと!~

いよいよ少人数学級が実現へ 全く、本当に(本当に本当に)遅ればせながら、国もようやく35人学級の実現に向けて動き出しました。とりあえず、2021年度は5年後の実施に向けて数億円の予算計上ということで、誠に雀の涙ではありますが、一歩踏み出したことに間…

オープンダイアローグのセミナーで東大に行った話〜その1

12月1日、オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)主催のセミナーが行われ、参加してきました。 場所は東京大学本郷キャンパス鉄門記念講堂、医学部にあるホール。 日本の推しも押されぬ最高学府、しかも医学部の建物に入るとあって緊張… 土…

風と砂山の記憶 〜エピローグ・閉校〜

あの角を曲がったら、学校があるはず。 と思ったら、殺伐とした野原が広がっている。 鉛色の空から斜めに突き刺さるようにみぞれが叩きつけている。 道を間違えただろうか、と思った矢先に 視界の右端に風変わりな円形のくすんだオレンジの建物が見えた。 そ…

主体的で対話的な深い学びの風景⑥ 〜今年も訪問!最北端の町 Part1〜

9月の半ば、昨年度から訪問させていただいている、最北端の町、稚内市のW小学校に今年も訪問させて頂く機会を得ました。 前日に稚内に入り、夜はW小の先生たちと一緒に、さすが最北端の港町と心底唸らされる海の幸を堪能しました! 居酒屋ルパン最高!太鼓判…

教育の中のマイノリティーを語る 〜札幌市民交流プラザ・札幌市図書・情報館にて前川喜平を読む〜

札幌市市民交流プラザ札幌市図書・情報館に遅ればせながら、 初めて来ました。 ここの図書は貸し出しはできないのですが、カフェの様な素敵な雰囲気の館内でじっくりと読むことができるのです。 www.sapporo-community-plaza.jp 最近始めた心理の資格試験の…

風と砂山の記憶8 〜風で遊ぶ・つくることと学ぶこと〜

前回は吹雪の話でほぼ終わってしまいました。 記述している間に色々思い出し、話が止まらなくなってしまいました。 そんな、北海道の厳しい自然の中。 今、学校の統廃合が進み、僻地の学校が急速に数を減らしています。 風と砂山の記憶シリーズの舞台になっ…

風と砂山の記憶7 〜吹雪の日〜

今、北国は一年で一番厳しい季節をむかえています。 石狩湾から入り込む強い西風が吹くと、降り積もった粉雪が舞い上がり、辺り一面真っ白。視界が効かない中車で前に進むとあっという間に吹き溜まりにはまり込んで身動きができなくなるなんてよくあること。…

風と砂山の記憶6 〜「風を観る」子どもたち〜

海べの町の小さな小学校にいた時のことを綴っています。 今日もその時の忘れられないエピソードの中の一つを紹介します。 いつもの教室の風景 中休みやお昼休みを終えて教室に子どもたちが戻ってきます。 「さあ、遊びの時間は終わりですよ。気持ちを切り替…

風と砂山の記憶5 〜「王国建設」の話〜

おはようございます。 昨日今日はセンター試験。 この時期の北海道の気候は日々変わりやすく厳しいものがあります。 今年はどうやら2日間ともまずまずのお天気で試験に支障がないようですが 試験前日に当たる一昨日はなかなかの吹雪でした。 交通機関にも支…

風と砂山の記憶4 〜「お魚」続編

皆さま あけましておめでとうとございます。 良いお年をお迎えでしょうか。 私の住む北国のS市はここ数年の例にもれず、雪の少ない新年を迎えています。 昔はもっともっと雪の量も吹雪の回数も多かったように思うのは気のせいでしょうか。 さて、年末書類の…

風と砂山の記憶3 〜「お魚」を描いた写生会のこと〜

こんばんは。 今日も海辺の小さな学校での話です。 ラデッシュの話の少し後の事だったと記憶しています。 www.katoreen.com 最近はほとんど見なくなった学校の取り組みの一つに 「写生会」 というのがありました。 かつてはどこの学校でも取り組んでいて、 …

主体的で対話的な深い学びの風景⑤ 〜最北端の街、稚内に再訪して〜

11月に入りました。 6月に訪問した稚内の小学校に再び訪れる機会をいただきました。 稚内=きっと超寒い! と思い込み、覚悟を決めて行ったのですが、思いの外、とても良い天気に恵まれてちょっとした行楽気分でした。 学校ではT校長先生が笑顔で出迎えて…

主体的で対話的な深い学びの風景④ 〜子ども理解と授業研究〜

こんにちは。 今日の北海道は朝から冷え込み、私の住むS市の最低気温がとうとう一桁になりました。 あと1ヶ月もしないうちに初雪の便りがきかれると思うと、ちょっと物悲しい気分になります。 今年度も半分を終えました 9月の末はS市のほとんどの小学校で通…

主体的で対話的な深い学びの風景④ 〜学びを深めていると思う時〜

こんにちは 地震から3週間以上がたち、落ち着きを取り戻しつつある北海道ですが、週末から週明け月曜日にかけて台風24号が近づいているとの事… 3週間前の台風21号からの北海道胆振東部地震の記憶も新しい中、またまたなんだか不安です。 私の勤務して…

主体的で対話的な深い学びの風景③ 〜学習規律と学力について考える〜

こんにちは 北海道胆振東部地震から2週間以上が経ちました。 スーパーの品揃えもかなり元通りになり、日常が帰ってきたように思います。 今日ようやく納豆が買えた ことで少し笑顔になった軽トラでした。 しかし、観光の人たちが激減してしまっていたり、停…

主体的で対話的な深い学びの風景② 〜追い詰められた教師の心を考えてみた(後半)〜

前回の続き、 後半です。 前半はこちら www.katoreen.com 最初に断っておきますが、前回引き合いに出した先生の事を、私はこき下ろそうと思っていません。 話の成り行きで、批判的なニュアンスだったかも知れませんが、特別にひどい先生だとは思いません。き…

「授業改革」を考えた10年前と今

「授業を変える」3つの意識改革 1、子供観の改革 教師が集まり、子供の話を話題にするとき、きまっての話の中心になるのは『最近の子供たち』がいかに未熟できないことが多く、それらを向上させるべく指導することが困難かということではないだろうか。 図…

3つの授業から「学び合い」についての一考察  〜『聴く』ということ〜

「切った紙の形から」という題材に取り組んでいた1年生。 鼻歌を歌いながら自由に紙を切っていきます。無作為に切り取られた形。ある子がその紙の形を見立ててつぶやきます。「なんか、シマウマみたい!」 周りの子たちが覗き込んで言います。「本当だ!ウマ…